2005年4月6日に81歳で薨去なされたモナコ太公レーニエ3世は存命であれば2023年には100歳を迎えるはずでした。現代のモナコ公国の「創設者」とまで言われるほどモナコの発展に貢献したレーニエ3世の生誕100年を祝し、人として、そして国家元首としてのレーニエ3世について物語る一連のイベントが今年、開催されます。このレーニエ3世生誕100年記念行事開催委員会の会長を務めるのはステファニー公女です。
I大きな夢を抱くには大きな国でいる必要はありません。その夢を実現するために多くの人々が必要ということもありません。
モナコ太公レーニエ3世
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レーニエ3世によるこの名言は1949年から2005年まで、すなわち56年にもわたる治世の糧とされていた言葉です。これはモナコの太公のなかでも最長治世記録となります。
モナコではアルベール1世薨去の式典が2022年に終了したばかりです。今年は、モナコに偉大な軌跡を残し、この国を国際的に有名にしたモナコ太公レーニエ3世の時代にスポットが当てられます。ステファニー公女が会長を務めるレーニエ3世生誕100年記念行事開催委員会は、現代のモナコ公国の「創設者」レーニエ3世の生誕日である5月31日から記念行事を開催します。
この日はモナコ公国民全体が家族のように一つになって、レーニエ3世が情熱を注いでいた趣味にまつわる教室やアクティビティが行われます。大公宮殿のグラン・アパルトマンでは「自宅でのモナコ大公」と題された展覧会も同日に開催。レーニエ3世にまつわる希少な写真コレクションや調度品、資料などが公開されます。その他にもグレース太公妃への愛情の象徴であるグレース大公妃バラ園、マリンスポーツ愛好家であったことがわかるモナコ・ヨットクラブ、動物好きでもあった一面を覗かせる動物園など、レーニエ3世に関する様々な展覧会が開かれます。
このように多くの興味深いイベントが続く2023年となりますが、その中でも注目されるのは6月19日にニューヨークの国連本部で行われるモナコ騎兵隊楽団によるコンサートです。このコンサートはモナコの国連加盟30周年を記念するもので、レーニエ3世はモナコの国連加盟に貢献した立役者の一人でした。モナコ国内でも、モナコの小学生が参加する伝統のモナコ語大会、夏のフェスティバル「U Sciaratu 」、赤十字ガラパーティーなど、レーニエ3世にオマージュを捧げるイベントが目白押しです。今年は1966年に開催された伝説的なモンテカルロ創立100年記念パーティーを彷彿する年となることでしょう。
2023年末から2024年初頭にかけてもクリスマス・マーケット、モンテカルロ・ヒストリック・ラリー、モンテカルロ国際サーカス・フェスティバルなど、大きなイベントが行われます。レーニエ3世が半世紀を超える治世で果たした多くの業績を華やかに祝しながら1年の幕を閉じるのにふさわしい行事となることでしょう。