FIA世界ラリー選手権(WRC)の開幕戦は例年どおりWRCラリー・モンテカルロ。
第93回大会は2025年1月20~26日に開催。
楽しいけれど過酷なラリー!
第93回ラリー・モンテカルロの拠点として、オート=アルプ県が選ばれました。オート=アルプ県のギャップ市は2014年から2021年、そして2024年にもラリー・モンテカルロの拠点となっています。
モナコ自動車クラブ組織委員会は、2025年のラリー・モンテカルロのために、おそらく例年以上に注意深くルートを厳選しました。
FIA世界ラリー選手権のこの開幕戦では、ドライバー達は、フランスの内陸部(アルプ=マリティーム県、アルプ=ド=オート=プロヴァンス県、オート=アルプ県、ドローム県)の狭く曲がりくねった、困難に満ちたルートを走り抜けなくてはなりません。
公式なスタートは2025年1月23日(木)、表彰式はモナコ公国の伝説的なカジノ広場で行われます。.
笑顔も涙も.....
2024年はベルギー人ドライバーのティエリー・ヌービルが、2020年に続き2度目の優勝を飾りました。初優勝を飾った時のコ・ドライバーのマルティン・ウィダゲが昨年もヌービルをサポート。
トゥリーニ峠で表彰台の頂点に立つ前にヌーヴィルは「なんと言っていいか言葉もありません。この週末は本当に素晴らしく、何もかもが上手く行く感じでした。」と語っています。
ヌービルはエルフィン・エヴァンスやセバスチャン・オジエといったライバルを圧倒しました。セバスチャン・オジエはラリー・モンテカルロで9回優勝という記録を持っています。
残念ながら、オジエにとっては辛い状況の週末でした。オジエは喪中だったからです。このフランス人ドライバーはスタートには立ったものの、取り乱し、最終区間終了の後、こう述べました。
「モータースポーツで僕のキャリアをスタートするきっかけとなり、最初のカートを買ってくれた、僕にとってとても大切な人に月曜日(2024年1月22日)、別れを告げるのは辛かった。」
偉大なチャンピオンである彼は「ティエリーとのバトルは素晴らしかった。ティエリーはよくやったよね。僕にとっては辛い1週間でした。感情の起伏がジェットコースターのように激しかった...」と語っています。
若い頃のドライバーとしての思い出が、彼のホームグラウンドであるこの第92回ラリー・モンテカルロで蘇っていたのでした。
越えなくてはならない難関、トゥリーニ峠....
2025年大会を華々しく締めくくる最後の特別区間には、パワーステージとして伝説のトゥリーニ峠(ラ・ボレーヌ=ヴェスビィ/ペイラ=カヴァ)が含まれています。
この特別区間は夜、雪と寒さの中で行われました。この区間でドライバーたちは歓喜と絶望、勝利と失敗、そのすべてを経験し、トゥリーニ峠は伝説となったのです。トゥリーニ峠は長年にわたり、ラリー・モンテカルロの幕を華やかに閉じる舞台となっています。
WRCは持続可能性のパイオニア...
2022年のラリー・モンテカルロは、「Rally1 」として知られる新しいプラグイン・ハイブリッド・モデルの素晴らしさを目にする最初の機会となりました。全燃料式の自動車のモデルはもはや過去のもの。
世界ラリー選手権にハイブリッド車が登場し、100kWの電気ブーストが可能となり、オール電化での走行距離は20kmとみられています。
さらに、FIAは100%持続可能な燃料、つまり化石燃料を使用せずに合成燃料とバイオ由来成分をブレンドした燃料を供給するP1レーシングフューエルズを指名。
WRCは、この新技術を導入する最初のFIA世界選手権としてパイオニア的な役割を果たしています。
その歴史..
世界ラリー選手権でも評判の高いラリー・モンテカルロは、選手権の歴史上最も古いラリーです。
1911年に開催された第1回大会は、モナコの観光振興を目的として企画されました。クルーはヨーロッパの各都市から出発し、モナコ公国にゴールすることになっていました。
イベントが1月に開催されたのは、その時期のモナコの気候がとても温暖であることをアピールするためです。ラリー・モンテカルロの創設者としてみなされているのはガブリエル・ヴィアロンとアントニー・ノジェ。ソシエテ・バン・ド・メール(Société des Bains de Mer)が資金を提供しましたが、初年度の参加したのはわずか23チ―ム。
翌年には参加チームは4倍に増え、ラリー・モンテカルロは本格的にスタート!
1911年にフランス人ドライバー、アンリ・ルジェが初優勝を飾って以来、この素晴らしいモーターススポーツのイベントで多くの人々がスリルと興奮を味わってきました。
ラリー・モンテカルロの王者の地位を争っているのは「セブス」こと、セバスチャン・ローブとセバスチャン・オジエ。
セバスチャン・ローブは通算8勝、2023年にも優勝したセバスチャン・オジェが9勝を上げています!モナコ出身のダニエル・エレナは、2003年から2013年までセバスチャン・ローブのコ・ドライバーとして活躍し、セバスチャンローブとともに7勝しています。
2度あることは3度ある…ヌーヴィルは2025年も本拠地に?
公式プログラムの詳細についてはこちらからどうぞ → ACM
写真クレジット:
©ACM/ Olivier Caenen / Stephane Demard / Julien Perez Alonso / Jean-Marc Follete / Joris Clerc - ©Cedric Bovini