毎年1月末から2月初旬にかけてモナコの街角では「ビガラード(ビター・オレンジ)」の収穫が行われます。
モナコ都市整備局の庭師たちは10日ほど前からモナコのあちこちを移動しながらビガラードを収穫しています。566本のビガラードの木がモナコのあちこちに植えられているからです。「一個も無駄にするな!」がこの伝統的な収穫の合言葉。一般市民たちも無料で好きなだけこの苦味の強いオレンジ狩りに参加することができます。昨年の収穫量は7、6トンで、そのうち1トンは一般市民が収穫したものでした。
L収穫されたビガラードの多くは様々な団体や施設に送られます。そのうちの一つはかの有名なリカーを製造するモナコ蒸留所です。学校では子ども達の教育プログラムの一環として、ホテル業界技術高校ではパート・ド・フリュイの材料としてビガラードが使われます。収穫作業で発生したゴミ(枝や葉っぱ)はその場で粉砕され、モナコの各庭園に撒かれます。
無駄になるものは何も無い。創造されるものも何も無い。全ては生まれ変わる。
アントワーヌ・ロラン=ド・ラヴォワジエ
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100%モナコ製の特産品とそのノウハウ
モナコ蒸留所ではオレンジ色の果実を仕入れてそのすべての風味を活かすリカーが造られます。
ビガラードの樹木は除虫材などの人工的手入れはされていないので、ビガラードの果皮はそのままリキュールの原材料として用いることができます。リキュールにアロマをもたらすビガラードの果皮はエッセンシャルオイルの原料ともなります。ビガラードの果汁は発酵後、銅製の蒸留器で6時間かけて蒸留され、オー・ド・ヴィとなります。このビガラードのリカーは100%モナコ産の100%ナチュラルなお酒です。
ビガラードは驚くほど多くのレシピで利用できます! オレンジワイン、ジャム、パート・ド・フリュイ、フリュイ・コンフィ、カクテル…。アイデアはあなた次第!
モナコで人気のレシピ、モナコ・スピリッツ
- プロセッコ 15cl
- オランジュリ(ビガラードのリカー)5cl
- オレンジピール
- 氷
- 材料全てを混ぜわせて、モナコそのものの味が詰まったグラスで乾杯!
ビガラード収穫日 :
モネゲッティ地区 (Secteur des Moneghetti)
1月27日まで
モンテカルロ地区 (Secteur Monte-Carlo)
1月27日まで: スイス大通りとイタリー大通り
コンダミーヌ地区 (Secteur Condamine)
1月30日〜2月10日: グリマルディ通り
( 8時〜12時、 14時〜 15時半。天候と収穫の進行具合によって変更有り)
写真クレジット:
L'Orangerie / Direction de la Communication