開催委員会とモナコ自動車クラブのヒストリック部門は多様なカテゴリーを設定することを決定しました。
モナコ・ヒストリック・グランプリは、モナコ大公朝創立700周年を記念して1977年に創立されました。モナコF1グランプリとは違って2年毎に開催されるモナコ・ヒストリック・グランプリはモナコF1グランプリが始まる2週間前に行われます。このカーレースに参加できるのは1980年以前に生産された車のみ。
2018年度に再開したセリーAが好評だったため、2020年度も続行されることになりました。セリーAは、第二次世界大戦後のグランプリでF1と呼ばれていたカテゴリーのレーシングカーであり、世界のグランプリレースでも見逃せない重要なカテゴリーです。戦後から1950年代にかけて生産された、素晴らしいスポーツカーが多く参加するよう、2016年からはスポーツカー部門も再考されました。これと同じ形式のモナコ・グランプリが開催されたのは1952年度のみです。このモナコ・グランプリに参加したレーシングカーを2020年のモナコ・ヒストリック・グランプリで目にする可能性もあります。
7つのカテゴリーに分けられたレーシングカー
ヴィンテージカーのファンには見逃せないイベント、モナコ・ヒストリック・グランプリには1930年代から1970年代末にかけて生産された約230台の車が参加します。2020年度の新しい見所は、通常はアルファベットの一文字をとって名付けられていたセリーに、当時、そのセリーで活躍していたレーサーに由来した名前を付けていることです。
セリーA:ルイ・シロン – 戦前のグランプリ・レーシングカーと三輪車
クラス1:グランプリ・レーシングカー
クラス2:戦前の三輪車
セリーB:ファン=マヌエル・ファンジオ – 1946年から1960年にかけて生産された、エンジン前搭載グランプリ・レーシングカー
クラス1:1946年1月1日から1953年12月31日までに生産された、 最大排気量1500 cm3のプレッサーエンジンコン搭載カー、または最大排気量4500 cm3のコンプレッサー無しモーターカー。
クラス2:1953年12月31日前に生産された、コンプレッサー無しで排気量2000 cm3未満のフォーミュラ2のレーシングカー。
クラス3:1954年1月1日から1960年12月31日までに生産された、コンプレッサー無しで排気量2500 cm3未満、またはコンプレッサー有りで排気量750 cm3 未満のF1レーシングカー。
セリーC:ヴィットリオ・マルゾット – 1952年から1957年のエンジン前搭載スポーツカー
クラス1:1.5Lから 2Lまでのエンジン搭載のスポーツカー
クラス2:2Lを超えるエンジンとドラムブレーキ搭載のスポーツカー
クラス3:2Lを超えるエンジンとディスクブレーキ搭載のスポーツカー
セリーD:グラハム・ヒル – 1961年から1965年までの1500馬力F1グランプリカー
クラス1:4気筒または6気筒エンジン搭載の車
クラス2:8気筒または12気筒エンジン搭載の車
セリーE:ジャッキー・スチュワート – 1966年から1972年の3Lグランプリレーシングカー
クラス1:1966年1月1日から1969年12月31日までのF1グランプリに参加したレーシングカー
クラス2:1970年1月1日から1972年12月31日までに生産された、フォード・コスワースDFVエンジン搭載のレーシングカー
クラス3:1970年1月1日から1972年12月31日までに生産された、その他のエンジン搭載のレーシングカー
セリーF:ニキ・ラウダ – 1973年から1976年までの3Lグランプリのレーシングカー
クラス1:フォード・コスワースDFVエンジン搭載のレーシングカー
クラス2:その他のエンジン搭載のレーシングカー
セリーG:ジル・ヴィルヌーヴ – 1977年から1980年までの3Lグランプリのレーシングカー
クラス1:地面効果無しのレーシングカー
クラス2:地面効果有りでフォード・コスワースDFVエンジン搭載のレーシングカー
クラス3:地面効果有りでその他のエンジン搭載のレーシングカー
2020年度のモナコ・ヒストリック・グランプリでは、歴史的価値と真正性に基づいて選ばれた総勢230台を超えるグランプリ・レーシングカーとスポーツカーが、モナコの伝説的なサーキットコースで本物のカーレースに参加します。
参加する各車はもちろんのこと、レース自体も素晴らしいモータースポーツのイベントです。
観客はレースの始まりから終わりまで目を離せません。2020年度のモナコ・ヒストリック・グランプリは、F1世界チャンピオンシップ初期の30年の歴史が7つのセリーで一望できるという、大変希少なレースです。
2日半にわたって、レーサーたちはハイレベルのモータースポーツへの情熱を観客たちと一緒に分かち合います。昔ながらのレーシングカーとスポーツカーのエンジンの音と匂いに心が震えることでしょう。モナコ・ヒストリック・グランプリのサーキットの80%は1929年のサーキットと同じです。このサーキットは今でもFIA F1世界チャンピオンシップで毎年使われています。
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©ACM / Caenen Olivier - ACM